35歳会社員のメモ帳

35歳サラリーマンの"お金"や"くらし"のメモ帳です

長期投資は生存者バイアス?

長期インデックス投資は続ければプラスになる。

これは長期インデックス投資に辿り着いた人が必ず1度は目にする言葉です。相場もタイミングも選ばないこの投資の唯一の敵はあなたであり、生存者になるか脱落者になるかもあなた次第ということを再認識しましょう。

 

全世界または米国の経済成長に乗り、長期で見た時に右肩上がりのインデックスファンドに積立投資をすればその恩恵を得られるというものです。愚直に保持しつづけるだけで市場平均に沿った利益を得られる。だから投資初心者や投資に時間を割けない社会人でもこの投資法なら誰でもプラスになれる、と。でもこれ、マイナスになって退場した多数の人たちを見ていないのではないでしょうか?これは生存者バイアスなのかもしれません。

生存者バイアスとは思考の偏りのことで、脱落した人を認識せず生き残った人だけを見て評価をつけることを指します。

例えばこんなジョークがあります。パラシュート会社の営業マンがパラシュートを売り込みに来た。「うちの商品は利用者のクレーム0の逸品だ。快適な空の旅をお約束しますよ。」「利用者のクレーム0だって?事故が起きることはないのかい?」「ええ、戻ってきた皆さんは空の旅がとても素晴らしかったと口を揃えて言いますよ。事故は何度か起きましたが利用者からのクレームはありませんでした。」

生きている人はパラシュートの空の旅を楽しんだようですが、事故が起きた利用者からのクレームが無いのは亡くなっているからですね。事故で亡くなった方を認識せずに生きて帰ってきた方だけの評価で商品の価値を決めて売り込もうとする営業マンの図式です。

長期投資についてもこれと同じことが起こっているのかもしれません。長期投資すると決めたのに10年で耐えきれなくなって退場してしまう人が100人いても、15年投資し続けた数人の体験だけでこの投資法は誰でも簡単に市場平均を叩き出せる投資法だ!と吹聴されているのでは?と思うのです。

 

データからすれば15年以上保持すればプラスに落ち着く確率が高くなるというのは聞いたことがあると思います。それは事実なのでしょう。しかし私がその生存者になれるかはわからないということです。15年は長いです。生活するにつれ、考え方が変わったり急な要り用ができたりもするでしょう。子どもが留学やレベルの高い学校に行きたいと言ってきて投資金を売却しないといけないかもしれない。高校までは公立のつもりだったけど私立への進学を余儀なくされるかもしれない。人生は何があるかわかりません。私自身になにがあるかもわかりません。

長期投資は続けられればプラスになるけど続けるのは簡単ではない投資法なのでしょう。習慣だって身につけるのに苦労するのに、それが資産の増減を伴うとなれば本当に大変なことなのだと思います。だからこそこの投資法を選んだ同志の皆さんとともにSNSで励まし合いながら生存者になると覚悟を決めることが大事なのだと思います。

 

長期投資は生存者バイアスです。ならば生存者になろうではありませんか。誰もが何かを始める時に失敗すると考えながらやる人はいません。成功を夢みるものです。ならば成功を掴み取るために生存者になろうではありませんか。

同世代の皆も会社でも出世して、投資を続けて、生存者になってバイアスを自分にかけましょう。自分はできるんだという肯定感とともに生存者になりましょう!